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甘々、デレデレ、女の子。
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「……やっと終わった」
 テスト終了のチャイムとともに、ようやく解放されたという安堵の声が教室中から聞こえてくる。ところどころ悲鳴も混じってはいるが。
 ホームルームも滞りなく終了し、あとは帰るだけ。これから土日とテスト休みをあわせて四連休だ。
「良樹、どうだった?」
 下駄箱でいきなりチョップをしてきたのは薫。――まあ、いつものことだ。
「そこそこ、ってとこだな」
「え、余裕? さてはかなり自信あるな?」
「んなこたねぇよ。普通。たぶん平均点くらいだろ」
 いい加減ボロくなってきたスニーカーに踵をねじ込む。
「お前は?」
「え、わたし? ……言う必要ある?」
「了解。いつも通り、と」
 まあ、予想はしていたが。
「んじゃ、帰るとするか」
「りょーかい」
 そんなこんなでいつも通りの帰り道。テスト前には早足だった周りのやつらも今日はゆっくり帰ってる。学生にとって、テストなんてその程度のもんなんだろう。
「ねえ、良樹。勉強ってどうやったらできんの?」
「机に向かって勉強すれば少しはできるようになるんじゃないか?」
「やる気出ない。やる気ってどうやったら出ると思う?」
「よくわからんが、勉強を好きになればいいと思うぞ」
「あー、ムリ。絶対ムリ。勉強が好きなやつなんて頭腐ってる」
 言って、薫は歩道の縁石に乗った。目線の高さが同じくらいになる。
「ってか、数学とかを作った人たちが悪い。昔の人間が数学を作ってなかったら、わたしたちもこんなに苦しまなくていいのに。自分たちの子孫のこととか考えなかったのかな?」
「たぶん、昔の人も良かれと思って作ったんだろうよ」
「じゃあ、ありがた迷惑ってやつだ。でも、ホント数学なんてなくなればいいのに」
「ってか、お前もお前だ。そんなに嫌なんだったら、愚痴るだけじゃなく、タイムマシンでも作って昔の数学者殺して来いよ」
「おぉ! ナイスアイデアじゃん!」
「――え? マジで?」
「うんうんうん。で、タイムマシンってどうやって作んの?」
「俺もよく知らんが、すげぇ勉強して物理学者とかになったら作れるんじゃないか?」
「結局、勉強かぁ……。ま、いいや。この休み、どっか遊びに行かない?」
「切り替え早いな」
「まあね。若いんだから遊ばないと」
「まあ、いいが。どこへ行くんだ?」
「どこでもいいけど、ボウリングとかどう? 最近行ってないし。投げ放題で十ゲームくらい」
「またハードだな……」
「いいじゃん、良樹ボウリング上手いんだし。前もこれくらい投げてたでしょ?」
「――わかった。行こう。お前の物理の勉強にもなるだろうしな」
「うん、指が痛くて勉強できないって言い訳もできるしね」


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 あまりにも書き込みがなかったので、昔の文章を載せてみました。
 人物の区別がつきにくいのは仕様ですw

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