忍者ブログ
甘々、デレデレ、女の子。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


 「ど、どうぞ。ご賞味ください」
 なごみちゃんは終始緊張し続けているようで、思わず声が裏返ってしまいました。ですが、そのことを誰かが気にすることはなく、審査員たちは一斉になごみちゃんの料理に箸をつけます。
 
 やや煮えすぎた感のあるニンジンを、上品な箸使いで口へと運ぶオオゲツ様。
 長さがばらばらであまり見栄えの良くない糸こんにゃくを、ちゅるちゅるとすする布袋様。
 少し大きすぎたかもしれないジャガイモを、割ることなく丸ごと大胆にほおばるアマテラス様。
 
 三者三様なれど、ただ黙々と食べ続ける神々の周りには、どことなく張りつめた空気が流れます。ウケモチ様の料理の時は、口に含んだとたんに感嘆の声をあげた三柱でしたが、料理に夢中になっているのか、はたまた別の理由からか、何かしらの評価を下すこともなく、淡々と食べ進めて行くばかりです。
 静まり返った会場に、料理を咀嚼するかすかな音が不自然に大きく響き渡ります。そんな奇妙な空気は、なごみちゃんを不安にさせます。
いたずらに続く沈黙に緊張感は増すばかりで、たまらず弱音をつぶやいてしまいました。
「やっぱり、おいしくなかったのかな……」
 
 今にも泣き出しそうな弱々しい声が聞こえたのでしょうか。三柱はまるで示し合わせたかの様に一斉に箸をとめ、手元に置きました。
 
 自前の布巾でおしとやかに口元をふくオオゲツ様。
 体裁など気にせず服の袖で口をぬぐう布袋様。
 湯呑みに入ったお茶をゆっくりとすするアマテラス様。
 
 三者三様なれど全員の試食が終わったということだけは、誰の目にも明らかでした。いったいどんな評価が下されるのか。会場中の注目が三柱にそそがれます。
 
そんな中、最初に口を開いたのは布袋様でした。
「こんにゃくの長さがてんでバラバラだった。でもその分つゆとこんにゃくがうまくからんで、肉と野菜の出汁の旨味を存分に味わうことができたよ。こんにゃくの役割を見事に果たしている。そしてつゆの恩恵を受けたのはニンジンも同じだ。ちょっと煮すぎているようにも思えるけど、よく味が染みてるし、そのおかげで独特の臭みも感じられないから、これならニンジン嫌いのお子様も食べれるかもしれない。たいしてジャガイモは大きさが絶妙で、つゆを吸いすぎることなく、食材本来の味とホクホク感がしっかりと残っている。」
 それだけ一気にしゃべり終えると布袋様はなごみちゃんをまっすぐに見据えて言いました。
「美味いよ。こいつは間違いなく美味い」
 布袋様の言葉に会場はどよめきます。まさかなごみちゃんの料理がこんなにはっきりと認めれれるとは誰も予想していなかったのでしょう。
 なごみちゃん自身も、料理に関してはすこぶる辛口の布袋様に褒められるなんて思ってもみませんでした。
 
「でもね……!!」
 動揺と興奮が入り混じるざわめきを、布袋様の一声が吹き飛ばしました。布袋様はゆっくりと立ち上がると、隣に座るアマテラス様の方を向き、言葉を続けます。
「確かにうまいけどね。それでもウケモチの料理とは比べ物にならないさ。格が違うんだ。あいつのは超一流の料理なんだよ。こんなんじゃ勝負にならない」
 どうやら布袋様はアマテラス様に怒っているようです。
「貴方だってこうなることは分かっていたはずだ。にもかかわらず、貴方はなごみちゃんにこんな勝負をさせた。いったいどうしてなんです?こんなことをして意味があるんですが?ちゃんとした考えもなしに、こんな茶番劇を仕向けたって言うなら美食家としてひとこと言わせてもらわなくちゃならない!」
「茶番などではないさ。あいつを見ればそれは分かるだろう」
 そう言ったアマテラス様の視線の先には、一柱の神がいました。
 ウケモチ様は対戦者用の試食皿にもられたジャガイモを一心に見つめ、一筋の涙をそのほほにつたわせていたのです。
 
「……姉上。この料理の名は一体何というのです?」
「肉じゃが、というそうよ。東の港で見つけたの」
「肉じゃが……」
 オオゲツ様の答をウケモチ様はかみしめるように繰り返しました。
 
「肉じゃが。何と素朴で愛おしい名だろうか……」

 


~第六話あらすじ~
七福神メンバーにして美食ハンターの布袋様と食物の神オオゲツヒメに出会ったなごみちゃんとアマテラス様。オオゲツ様の弟であり同じく食物の神であるウケモチ様が新装開店するという高級料理店に招待されます。開店前に特別に料理を振舞ってもらったアマテラス御一行でしたが、オオゲツ様とアマテラス様はウケモチ様の料理が何処か気に入らない様子。誇り高いウケモチ様は自分の料理が認められないことに憤慨してしまいます。そのうえなぜかアマテラス様の提案で、なごみちゃんとウケモチ様が料理対決をすることに。はたしてなごみちゃんは食物の神とまともに勝負できるのでしょうか?そしてアマテラス様の目的とは?


もうすぐ三月が終わってしまうということで、急いで書き上げました。
滑り込みセーフっていうやつですね。
ウケモチ様とオオゲツ様は同一視されることもある神様みたいですが、このお話では姉と弟という間柄にしてみました。
この二柱はかの有名なツクヨミとスサノオとの間に因縁があるので、アマテラス様としてはちょっとやりづらい相手かもしれませんが、今回のお話ではあまり遠慮してないようですね。

というわけで今日のキーワードは「ハクナマタタ」です。

拍手

PR

 どうも、お久しぶりです。Ozです。
 収穫に「更新しろゴルァ!」と脅されたので書きます。

 先日、Google Chromeなるブラウザをインストールしたんですが、これが速い速い。
 回線速度が変わったんじゃないかというくらい速い。
 スキンも変えれるしオススメです。

 まあ、カスタマイズがあまりできないので、俺はメインブラウザにはしませんが。

 さて、本題。

 そのGoogle Chromeをインストールした時の話なんですが、なんと、インストール先を指定されませんでした。
「あれ? 無条件でProgram Filesに入れられるのかな?」と思って、インストール後に確認してみるも、それらしきフォルダは見あたらない。

 仕方なく、ネットで調べてみると、Documents and Settingsの下という、よくわからない場所にインストールされていることが判明。
 どうやら、管理者権限が無い人でもインストールできるように、との意図からの仕様らしいですが――なんとなく気持ち悪い。
 というか、そもそも。
 インストール時にも、インストール実行ファイルを保存させず、いきなりインストールさせるんですが、そういった諸々が全て気持ち悪い。

 いわゆる「PCに詳しくない人」も手軽にGoogle Chromeをインストールできるようにしたかったんだと思いますが、「ある程度は詳しい人」(というか最低限のリテラシーを持っている人)にも優しくして欲しかったですね。

《今日の一言》
 クリアかつフラットでなければ、遠くまで見渡せない――Oz(面倒くさがりや)

拍手


どうもカーリングの試合を見るために夜更かしして以来、夜型に生活リズムがずれてしまったのかなかなか夜寝つくことができなくなってしまいました。
今日も12時ぐらいにちょっと眠くなったので、しめたと思い布団にもぐりこんだはいいものの、大量のからしマヨネーズがかかった大盛り焼きそばを必死に食べる夢を見てついさっき起きました。
今、ちょっとおなかが痛いのと夢の内容は関係しているのでしょうか?
なんにせよ、夜眠れない分を夕方からゴールデンタイムにかけての微妙な時間帯の睡眠でカバーするという非生産的な睡眠サイクルから早く抜け出したいのですが、何か良い方法はないものでしょうか……。
先日「最近眠るのが下手になった」という友人の発言を「へたってなんだよ」と笑っていたのですが、全然他人事じゃないですね。僕もド下手です。

ただ、嘆いても一向に眠れないので、ここ数日は開き直ってやってるうちに眠くなりそうな作業を秋の夜長ならぬ冬の夜中(もうすぐ春ですね)にやろうではないかという妥協案で手を打っています。
具体的にはこうしてブログ的なものを書いたり、最近ハマっているRPGツクールのプログラムをいじってみたり、本を読んだり。もちろん文章を書いたりもしております。
次にLLLが本を出すのが夏のコミックマーケットになるので、その時のための原稿にちょこっとだけ着手しました。

ただ、僕はすっとこどっこいな奴で、そのお話の舞台の季節を冬にしてしまったのです。
前回冬のコミックマーケットで出した本では、夏の話を書いてしまい、「季節感のない作品はよくないかな……」と当初は反省していたのですが、書く段になってすっかり忘れていては意味がない。
今書いている作品とは別に何か書けばいいだけの話なのですが、そこまで執筆が速いわけでもないので、新しい何かを書く可能性は薄いと思われ……。
きっと五ヶ月後に出来上がるであろう本には、Oz辺りがばっちり季節感のある短編を書く一方で、後半に僕の書いた空気を読まないボリュームの真冬の話が載っかったりするんだと思います。
事前に謝っておきます。申し訳ございません。


というわけで今日のキーワードは「夢にも思わない」です。

拍手

「すんません、御大将。こんな山奥の河原なんかで夜を明かすことになっちまって」
「それは構わんが……。その呼び方はやめろと言っておるだろう」
 「もうしわけねぇ」とさほど悪くも思っていないような様子で応える因幡は、アマテラス様の言葉よりも薪の様子が気になるようです。
 さっきからしきりに木の枝でああでもないこうでもないと火の具合を調節していて、人の話を聞いているやらいないやら。アマテラス様は思わずため息をもらしてしまします。
「どうしたんです? 腹、減りましたか?」
「……いや。何でもないさ。しかし、お前はオオクニヌシの所にいなくていいのか? またあの猪の異形に襲われるかもしれないという時に、主人を側で守るのが従者の務めだろう」
「旦那のことなら心配いりませんよ。なんてったてオオクニヌシの旦那ですから。あんな優男ですが、ろくでもねぇ兄貴たちの度を越した嫌がらせに長年耐え抜いただけの根性とたくましさってのは持ってるんですよ。そうゆうのは有事の時に、案外頼りになるもんです。それに今は頼れる毘沙門天様が近くにいてくださるんだから怖いもん無しでさぁ。だいたい荒事となりゃ俺みたいのは鼻っから役に立ちませんから、旦那の言いつけ通り大事な客人を無事に屋敷まで連れ戻すことが、今俺に出来る旦那への最大の忠義ってやつなんだと思ってますよ」
 相変わらず薪をいじり続ける因幡でしたが、今度はちゃんとアマテラス様の話を聞いていたようです。
 普段となんら変わりのない調子の良い軽い口調でしたが、その言葉の中には確かにオオクニヌシへの信頼と忠誠心が感じられました。オオクニヌシが何故彼を側に置きたがるのか、アマテラス様にも少しわかったような気がします。
「それに旦那は出雲の名家の出ですからね。なんでもスサノオとか言うそれはもうどえらい神様の血を引く家柄らしいですから、ちょっとやそっとのことじゃあ、くたばりゃしませんよ。まぁ俺は無学なんでそのすごい神様ってのが、これこれこうゆう神様だってとこまではよく知らねぇんですがね」
「スサノオ……?」
 全く予期していなかっただけに、その名前が因幡の口から発せられたことに対する驚きをアマテラス様は隠す ことができませんでした。案の定、因幡の方も少し驚いたような表情でアマテラス様を見つめています。
「もしかして御大将、スサノオ様って方をご存じなんで?」
「まぁ、そうだな。確かに知ってはいる。大したことではないが、あいつとは色々と付き合いがあったんだ。何にしても、もう気の遠くなるような昔のことだが……」
 自分でも嫌になるくらいあまりにも下手なごまかしでしたが、因幡は敏感にこちらの気持ちを悟ってくれたようで、「そいつはすげぇや」と当たり障りのない言葉を発するだけで、それ以上何か聞こうとするわけではなさそうでした。
「すまないな」
「はい?何のことです?」
 そんな風にわざとらしく返事を返す因幡が、これまた大げさにとぼけたような顔をしていたものですから、アマテラス様は思わず吹き出してしまいました。
「なんです。人の顔見て笑いだすのはいくらなんでも失礼でしょう」
「いや、悪いな。別になれない芝居をさせる気ではなかったんだが」
「いやね。御大将が何を言ってるかはわからねぇんですがね。あれですよ。俺だって話たくねぇ事の二つや三つや四つや五つは持ってますってことですよ。」
「お前はいい従者になれるだろうな。調子が良くて抜け目ないが、頭は切れるし気も使える」
「いやいや、御大将におほめいただくとは光栄でさぁ」




~あらすじ~
山越えのさなか、毘沙門天の「近道をしよう」という提案で案の定、迷子になってしまったアマテラス御一行。どうしたものかと途方に暮れているところを、このあたりの領主に仕える因幡という男に助けられます。彼の計らいで、奉公先の屋敷に泊めてもらうことになった一行でしたが、そこで出会ったのが領主の一人娘のヤカミ姫と彼女の婿養子であるオオクニヌシ。彼らは後日、このあたりで最も高い山である手間山の山頂で、土地の神様に自らをその土地の統治者として認めてもらうために「国褒めの儀」を執り行うとのこと。すったもんだでその儀式に同行することになったアマテラス御一行でしたが、山を登る道中で謎の猪妖怪に襲われてしまいます。はたして妖怪の正体は?オオクニヌシ夫妻は無事に儀式を執り行うことができるのか?



猪妖怪「赤猪」に襲われた後、一行はばらばらになってしまうのですが、本文はその内のアマテラス組が河原で野宿をする際の一場面です。
本当はこの後の会話を書きたかったのですが、それを書こうとするとあまりにも長くなるAND二月中に間に合わないという事で今回はカット。
そのせいで、本来はアマテラス様中心になる場面のはずがゲストキャラクター因幡の独壇場となってしまいました。でも彼の口調は書いていて楽しいです。

というわけで今日のキーワードは「クロマトグラフィー」です。

拍手

先ほどTVで中継していたバンクーバーオリンピックのカーリング女子の試合を見ていました。
深夜から見始めたと思っていたのに、終わってみればおはよう日本。
カーリングって試合時間長いんですね。

僕はあんまりオリンピックとかを熱心に見る方ではないんですが、今日はちょっと気になってカーリングの試合を見てみました。
日本代表対カナダ代表の試合です。
なんでもカナダ代表は世界ランク一位とかで、日本はチャレンジャー的位置だったらしいのですが、すごく面白い試合でした。
日本代表もすごいんですが、僕が見てて一番感心したのはカナダ代表のオコーナ選手でした。
解説の人が「この辺がカナダの狙いですね」というところにぴったしストーンを持ってくるんですよね。
さすが世界ランク一位。
夜中にもかかわらず、一人で「すげぇ!!」とか叫びながら観戦してしまいました。

カーリングのルールもいまいち知らずに見ていたのですが、解説と実況の方がナイスな仕事をしてくれたので初心者でも楽しめました。
めちゃめちゃ頭を使う戦略的なスポーツらしく、解説の方がおっしゃっていた「私たちが解説だけ聞くと、結果論じゃないかと感じると思いますが、世界レベルの選手になると、そこまで戦略を見据えてやってるんです」という内容のセリフがすごく印象に残っています。
カーリングがこんな面白いものだったとは……。
僕はバスケとかサッカーとか瞬間的にいろいろ見えないといけないスポーツはちょっと苦手なんですが、野球みたいに一球一球いろいろ考えられる間があるスポーツは結構好きです。
あくまでやる方ではなく観戦者側としてですが。
ですので、カーリングも結構肌に合ってたのかもしれません。

日本代表は惜しくも敗れてしまいましたが、まだまだ予選の序盤という事の様なので期待したいですね。


というわけで今日のキーワードは「天狗舞」です。


 

拍手

僕は、塾講師をしているんですが、担当している生徒に全く英語が出来ない中3生がいて、どれくらい出来ないかというと、受験間際のこの時期になっても「tennis」を日本語に訳せないほどです。

英語というより、ローマ字から教えないといけないんじゃないかと思うぐらいなんですが、そんな中でも「明日」という意味の英単語が何回教えても覚えられません。

世界中の誰もがそうだと思いますが、彼の場合は他人より過剰に、“Tomorrow" never knows.の苦しみを味わっているような気がします。毎週毎週それを確認しないといけない僕の方こそ、というような感じもしますが。

この話を収穫に話したところ、彼はいきなり、間違えて、Mr.childrenの「innocent world」を歌い始めたんですが、彼の場合は、“Tomorrow never knows” never knows. なんでしょう。

それではこの辺で今日は終わりますが、次回の更新は一体、いつになるのかな。。。

拍手

昨日万感と話していたときに、スーパードンキーコングの話になりました。
僕たちの共通の見解として「スーパードンキーゴングシリーズはこの時代に生まれたのなら一度はやるべき名作である」というのがあったのですが、いまやWiiのバーチャルコンソールで楽しむことができるんですね。
やっぱり凄いぜバーチャルコンソール。
過去の名作を後世に伝えるものとして今後ともに機能していってほしいものです。

ただ、万感はバーチャルコンソールでドンキーコングが遊べる事を知らなかったようで、その話をすると「Wii買おうかなぁ」との発言。
僕はまるで任天堂のまわし者の様に「買いなよ!買うべきだよ!」と購入を進めたのですが、ここで一つ問題が浮上しました。
万感はTVを所有しておらず、PC用のモニタしかもっていなかったのです。

どうもモニタの種類によってはつなげる場合もあるようなのですが、万感のモニタにはS端子やD端子などが付いていなかったため、Wiiを接続するためにはアップスキャンコンバーターなる中継機が必要になってくるらしいのです。
それでそのコンバーターというのが安くても五、六千円する品物で、そのうえ安物は操作と映像にタイムラグが発生することもあるとか。
もちろん万感は「じゃあいいや」と言って購入意欲喪失。
任天堂のまわし者の僕としては残念な結果に終わりました。

ps3やXbox360といった次世代機の場合だとHDMI端子が付いているのでPCモニタとの接続はだいぶ簡単なようです。
任天堂も、そのあたりをもっと気にしてよかったかもしれませんね。

今回はgoogle先生にだいぶお世話になったんですが、先生の授業は勉強になります。


というわけで今日のキーワードは「ボマー捕まえた」です。

拍手

[1]  [2]  [3]  [4]  [5]  [6]  [7]  [8]  [9]  [10
忍者ブログ [PR]