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甘々、デレデレ、女の子。
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 遙か昔、人類は世界の膨大さを知る由もなかった。
 地の果ては見えず、自然は神のようで、時間は永遠に感じられた。
 それほどまでに世界は強大だった。

 そうして人は社会を組織した。
 個体では敵わない世界に、群体で抗うために。
 この方法では一世代で世界に対抗する事はできなかったが、長い時間をかけ知識の蓄積と伝達を重ねることによって、一定の成果を得る事に成功した。
 地上を見渡し、自然を理解し、時間を相対化することを可能にした。
 こうして世界の絶対性は薄らいだ。

 しかし、そのときには社会が肥大化していた。
 自分ひとりでは及びも付かない世界と比肩し得るまでに成長した社会はそれ自体が絶対性を有し始めていた。
 かつて、人といえば自らの面前にいる存在であったのに、いつしか誰とも知れぬ輩が社会を動かし、人を動かすようになっていた。そうして社会は望むと望まざるとに関わらず、圧倒的な力で個人を屈服させる。

 その絶対性ゆえに神の御業とされた世界が、卑小な人間による社会に取って代わられる。
 その不条理はそのままに神秘性のみが失われる。
 そこに畏敬はなく、不平だけが残る。

 こんなに救われない事があるでしょうか。


《今日の一言》
 まあ、戯言ですけどねー。 ――Oz(口だけ人間)

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