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甘々、デレデレ、女の子。
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三島由紀夫との出会いは、もうずいぶん前のことになります。

僕は、三島の硬派な文体を読み切るだけの訓練を十分積んでから、『仮面の告白』から『豊饒の海』までの主要な作品を読んでいったわけですが、そのように肩肘張っていたせいで、それらの作品が如何に素晴らしく、傑作の連続であるかなんて感じる余裕がありませんでした。

最近、三島をまた読み返して、その思いは一層強くなっています。ただ、残念に思うと同時に、あの頃分からなかった作品の面白みを時を経てから発見することは、やはり、嬉しいことです。

当初僕は、『仮面の告白』が一番好きな作品でしたが、こうして読み返してみるとやはり『金閣寺』という感じがします。『豊饒の海―奔馬』もやはり好きです。

再読するだけでなく、まだ未読の作品にも手を伸ばして、2月の末に『絹と明察』を読んだんですが、作中の駒沢善次郎の善性というのは、確固として存在していて、それは偽りではないんですが、ただ、その善性自体が悪であるというところが、職場の上司によく似ています。岡崎はそこを容赦なく弾劾するわけですが。

そういえば、今年はちょうど没後40年になるんですね。三島自身が主演した映画『憂国』が別巻に収録されてる全集の第一巻配本から10年と考えると時が経つのは早いものですね。

ちなみに『憂国』の割腹シーンで腹から出てくる内臓がバナナにしか見えないんですが、僕だけですかね。

今、三島が自衛隊員を集めて行ったクーデターの映像を再度見てみたんですが、(こちらhttp://www.youtube.com/watch?v=bprGPmEwiw0&feature=related)あれだけ、美しい文章を書き続けた三島の最後の言葉が、汚い野次に塗れ、しかもそれ自体が非常にたどたどしいものであったことは、三島自身が痛切に感じた時代との乖離を物語っているようです。何度見ても、むなしい、そして悲しい気持ちになります。

この後、クーデターが失敗したことを悟った三島は、予定調和として、割腹自殺を遂げるわけですが、後を追った森田必勝はともかくとして、森田を介錯した人間は、果たして殺人の罪に問われるのか、以前から疑問です。自殺幇助とかになるんでしょうか。

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